5.13.2014

ヒマラヤ日記 16日目


今はジャコットという村の小さなホテルの部屋でこれを書いています。時刻は4時。今日はトロンパスを越えて来ました。ハイキャンプからトロンパスを越えるのに通常朝の4時30分に出発します。その時間だとまだ暗いので僕らは少し明るくなってくる5時過ぎに出発しようと考えていました。朝4時頃に起きて、外を見てみると、少し雲が出ています。これまでの経験だと早いうちに天気が崩れる予感がします。4時30分頃に多くの人達が出発して行った後、まだ暗い中5時少し前に僕達も出発しました。ハイキャンプの下に泊まっていた人達もどんどんと上がってきました。(部屋が空いていない人や、少し高山病の疑いがある人は下に泊っていた模様)気温はー15度程。雪の斜面をトラバースしながら、トロンパスを目指します。先行パーティよりも30分程後に出発したのにもかかわらず、すぐに渋滞に遭遇しました。中々進まないのにイライラとしておりましたが、途中、この高度、雪の中にもかかわらず、ティーショップが営業しており、それを過ぎた辺りから、徐々に人数もまばらになってきました。景色は、マナスルサーキットのラルキャラパスの方が幾分壮大な景色です。歩き始めて3時間程で、トロンパスに到着しました。聞いてはいたのですが、この峠にもティーショップがあります。少々値は張りますが、ここで暖かいミルクティーを飲んで温まりました。天気は更に崩れてきて少し雪もぱらついています。風が無いのが幸いです。峠を越えた向こうに、まだ知らない山々が視界一杯に広がります。あの向こうに行きたいと心を掻き立てられます。雪で埋れたトレイルは、標高が下がると共に所々凍った箇所が出てきました。僕らはスパイダー(軽アイゼン)を持ってきていたので、快調に降りる事が出来ましたが、殆どの人が何も準備していないようです。1400m程雪の中一気に高度を下げる下山はかなり大変だったのではないでしょうか。特に普通のスニーカーで何十キロもありそうな荷物をこの雪の中運ぶポーターさんは、少し尋常ではありません。時々滑って転んだりしてました。雪の斜面で転ぶという事は、転んだ場所が悪ければ下まで滑落する危険性もあります。ほぼ多くの人がガイドさん、ポーターを付けて歩いているのにも関わらず、軽アイゼンなどの道具に関しては、全く頓着は無かったようです。この雪と天候と高度を考えると、日本では考えられません。例年であればこの時期トロンパスは雪が無いらしいのでそのせいかもしれません。もしかしたら出発前は雪が無かったけど、ここ1週間ぐらいの天気の悪さで雪が積もったとも考えられます。ヒマラヤに来る人は軽アイゼンなどの装備はガイド会社が何も言わなくても準備された方が良いと思います。僕らは雪道も夏道も両方味わえたので楽しくて満足しました。











 ムクナートの寺院 ヒンデゥー教の聖地の一つらしい。


 ムクナート


ジャコットを望む


僕たちは11時頃に山裾のロッジに到着。お昼ご飯を食べました。12時頃に1番近いムクナートという村に到着。今日はネパールの新年ということもあり、高台のお寺には沢山の参拝客がいました。ムクナートまで、ジープが入れるからか、この村は開発が進み、ビルなどもあります。僕達には少し疲れそうな村に感じたので、もう一つ先のこのジャコットまで来ました。ムクナートから見えるジャコットは、断崖の山の上にある要塞のような村のようにも見えます。周りの風景と溶け込み絵のような美しい村です。この村のプラカースホテルに泊まったのですが、泊まっているのは僕達同様に、静かなネパールを楽しみたい人達でした。村の奥にはお寺もあり、そこで三ヶ月もボランティアをされているというドイツ人の女性に案内していただきました。空には大きなコンドルのような鳥が飛び、由美子と2人で、ドラクエ感満載だよね。と喜んだのです。