11.29.2011

ハセツネトレイル 二日目

少し寒くて、起きてみると1時30分くらいだった。少しぼーとして、寒いし歩いて暖まろうと思った。早速片付けをして、ゴミや忘れものが無いかチェクして、2時前には出発した。真っ暗の中ヘッドランプ(ペツルティカプラス2)で照らしつつ歩く。出発前に電池交換をしてきたけど、光量ってこんなもんだったけ。もっと明るかったような気がしたけど。


 2:06数馬峠。月明かりで、海が輝き、富士山のシルエットが美しかった。昼歩いてもとても美しい峠だと思う。笹尾根は予想以上に気にいった。次回は、奥秩父から歩いてきたい。三頭山の手前で、サンドイッチを作り食べる。昼間は動物の気配がしなかったけど、夜はそこら中で動物の気配や動く音が聴こえる。鳥がトレイルの上で寝ていたりして、そばを歩くと驚いてふらふらしながら飛び立っていく。木にあたらないかと心配になる。4:00頃三頭山の避難小屋に着く。避難小屋で、カップラーメンでも食べようかと思い、中をおそるおそる覗いてみると、奥に一人寝ていらした。起こしてしまったみたいで大変申し訳無い事をしてしまった。挨拶を交わしてさらに先を急ぐ。

 5:03 鞘口峠で、アルコールストーブに火を付ける。熱暴走してびっくりした。色々と考えると安定的に火力が得られるカルデラコーンはすごいなと思ったりする。火力を無駄にする事なくカップ全体を暖める事が出来るしね。そう書いていたら、カップの熱伝導率がとても気になってきた。暖めたお湯で、カップラーメン(カレー味)を食べて、コーヒーを飲んでいると、夜があけてきた。
最後まで歩いて電車にのって帰るよりも、日の出山からつるつる温泉によって帰ろうかと考えてみる。





 鞘口峠から風張峠に向かう途中の小高い山で日の出を見た。山全体が日の出に照らされてオレンジ色に変わる美しい一瞬。ようやく折り返し地点を回った気がする。向こうに、これから歩く山々が見える。

 落ち葉が積もって足が埋もれる場所もある。落ち葉をけちらせながら歩く。

 風張峠の先から、月夜見山(いい名前だ)に向かう途中アレ!という事が起きた。地図が古いのか、道路に出ないはずの所で道路に出る。道を間違えたのかと思い、折り返してみるが間違いでは無い。地形を見て、場所を特定して、地図が間違っていると確信する。道路を進んでいくとまた山に入る標識が出た。

月夜見山から、また道路に出て、右に100m程戻ると、駐車場から御前山に向かう登山口に入る事が出来る。駐車場には、7:35に到着した。日影になるとだいぶ寒い。パタゴニアフーディニのフードを頭にかぶって歩く。


  足がかなりへとへとになってきている。ふらふらになってきている。足が不調だと感じて、暖かい場所でひなたぼっこしながら所々休んで歩いていく。誰もいないので、トレイルの上でもゆっくりと休む事が出来る。


 御前山の手前の山でサンドイッチを作って休憩。足がますますまずい感じになっている。最後まで歩ききるどころか、どう下山するかに考えがシフトしてくる。とはいえ、このまま下山するのは面白くないので、奥多摩のもえぎの湯へ下山しようと決めた。

9:55御前山 膝が痛くて仕方がないので、適当の木を拾って、ハイカーの杖(Hiking Stick)とする。ひさしぶりのダブルストックで歩いてみて驚いた。すごく歩きやすいw
両方の杖に力を入れて歩いていく。ひさしぶりに重たく、ずっしりとした杖を握り、身体を預けながら歩く中で、トレッキングポールの事をいろいろと考えてみる。山と道の自作ポールは、身体の重さを預けるよりも、歩くリズムを刻む為に使う。その為に力を込めすぎないようにグリップを握りやすい形状にはしていない。ただこのような自体になると、グリップと重さ(バランス)について考えてしまう。

御前山の避難小屋の前のトレイルで本日はじめての登山者と挨拶を交わす。避難小屋で水を汲み、先へと進む。


 このあたりは、雰囲気が良かったです。

 鋸山の手前の大ダワで一度道路を渡る。トイレもある。

11:46  ほぼ50km程歩いてきたハセツネトレイルから離れて、鋸尾根を奥多摩へと向かう。

 鋸尾根は岩場も多く、痛めた膝にかなりキビシイ....。ゆっくりと歩いていく。

 昔の三角点?こんな漢字を使っていたんだ。普段あまり意識していなかった。

 草も黄色く紅葉していてきれいで良かった。

 雲取山方面。なかなか前に進まない。

 神社の手前で石が積んであった。ケルンとも違うようだけどなんだろう。

 愛宕神社を越えるともうすぐ奥多摩駅。神社の裏の長く急な階段を降りて振り返る。転んだらかなり危ない階段。

14:08下山。腹も減ったので、とりあえずそば屋に入って、澤乃井の新酒と、さしみこんにゃくで一杯。天ざるを食べてから温泉に向かう。ゆっくりと休んで少しは回復したが、やはり膝は痛い。足をかばいながら、帰りに三鷹のハイカーズデポに寄る。足が痛い事をスタッフの長谷川さんに伝えると、膝を見てくれると言う。診断をしてむらうと、腸脛靭帯炎と診断された。長谷川さんも最近やられたらしい。膝の外側がズキズキと痛むのだが、実は膝が痛んでいるのでは無く、足首から、お尻にかけての靭帯が痛んでいるらしい。少し休んだだけでは直らないとの事。年末から長いハイクに出る予定なので、どうにかしたいと相談をすると、長谷川さんも一日で直してもらったという靭帯の緊張を解くマッサージをしてくれる病院を紹介してもらった。帰ってから早速予約をする。有名なランナーも通っている四谷にある医院らしい。

ハセツネトレイルは途中敗退に終わったけど、ひさしぶりに、身体一杯歩けて、とても満足だった。静かで良かった。特に笹尾根は気にいった。次回奥秩父から高尾に向けて歩いていけば、少しずつ山が低くなっていく事を味わえるし、景信山まで来れば、茶屋で天ぷらをつまみながら、富士山を見てビールを飲める。問題はどこの温泉に入るかだけど。出来れば、奥秩父から高尾を抜けて、丹沢まで帰ってきたいものだ。


歩行時間約12時間 歩行距離約25km ハセツネランナーはすごいですね。





11.27.2011

ハセツネトレイル 1日目

ハセツネ(長谷川恒男)CUP。数多くのランナーが毎年参加する日本最大(距離の長さではなく)のトレイルランニングレース。参加した事は無いけれど、有名なレースだけに、なんとなくぼやぼやと過酷なイメージを思い浮かべる。ハセツネに参加出来る体力は持ち合わせていないけれど、奥多摩をぐるっと一周ハイクしてハセツネトレイルを体験してこようと考えた。70.1kmという距離も東京近郊のロングハイクと考えると丁度良い。紅葉も1000mよりも下がってきているので、紅葉を見ながらの、ひさしぶりのソロハイクも楽しみにしていた。


 7:39に武蔵五日市駅に到着。駅から今熊登山口に向かう道は、駅前の道の高架下になるので少々分かりにくい。駅から登山口まで30分程歩いたが、バスも駅から出ているみたいだ。

 今熊神社から登山口がはじまるが、間違えて今熊林道に入ってしまった。途中から最近ハセツネカップが開催されたとは思えないトレイル状況になったので、神社まで戻ってきた。

水800mlと2泊分の食料を含めてパックウェイトは5.8kg 食料はパンとハム、チーズ、イチジクのドライフルーツのサンドイッチをメインに、夜はカレー。サブでカップヌードルを持ってきた。2泊分の食料はあるが、基本1泊で歩こうと考えているので、食料は少なめに用意した。

 9:15 実際の登山口は、今熊神社の境内から続く。神社にいた人から「猿を見ましたか?」と聞かれた。境内を猿が歩いていたらしい。駅についてから登山口まで道に迷ったりで1時間30分程かかってしまった。


 快晴でとても気持ちの良い朝、杉林中心の森を歩く。杉の匂いが良い。登山者もほとんど会わない。

11:58 吊尾根への分岐。峰見通りよりも若干道が荒れて、道も若干分かりにくい所もある。 杉から広葉樹も増えて、所々紅葉した木もあり森がより豊に感じるようになってくる。笹尾根まではずっと展望も少なく樹林帯の道が続く。


 13:09 八王子市最高峰醍醐丸に出る。きれいなトレイルに復帰する。ここで休んでいるとトレイルランナーにこの日はじめて出会った。



笹尾根は道も広くとても静かで、所々紅葉した木々が目を楽しめる気持ち良いトレイルが続いた。所々富士山も見えるなど展望も楽しめる。

 15:51浅間峠の休憩舎

 今回、登山道に入るときに持っていた飲料水は500mlの水と300mlぐらいのコカコーラ。これまで水の補給場所も無く水も少なくなってきた。日も落ちてきてもうすぐ暗くなる。地図をみると、この先の日原峠に水マークがある。日原峠に付く頃には夕日は山に沈み、山はどんどんと暗くなってきていた。日原峠から5分程外れた水場に水が豊富に流れていた。2L程汲んでトレイルに復帰する頃には、夕焼けも終わり夜に変わりつつあった。水はセイシェルで濾過する。

 暗くなる中、サンドイッチを作って食べてナイトハイクを楽しんだ。これまで動物らしい動物には出会う事はなかった。このまま当初目標としていた三頭山の避難小屋を目指してみるが、身体も疲れてきていた。空気も冷えて風も出て来る。18:30頃笛吹峠の先の風の少ない場所でビバークする事にした。ふっかふかの腐葉土の上に、シルタープを張った。今回はじめて持ってきた農ポリ(パンダマンさんありがとう)のグランドシートを試してみる。滑りやすいかなとも思ったが、山と道マットは農ポリの上で滑る事は無かった。

お湯を湧かしてカレーを食べる。少し火が強すぎる。シュラフはハイカーズデポのダウンバッグ。インナーダウンのフードをかぶり潜り込む。風も出ていたのでもう少し暖かいシュラフでも良かったかもしれない。多分1〜2時くらいに目が覚めるだろうから、起きてまたナイトハイクを楽しもうと思いご飯を食べてすぐに眠った。気が向くままに歩き、疲れては寝て、起きてまた歩く。ソロハイクななんとも自由で楽しい。


1日目に歩いたトレイル。歩行距離約30km程。





11.21.2011

新しいポストカードが出来ました。

先日ハイクした天平尾根から新しいポストカードを作りました。
商品の発送時に一緒に送ります。


11.18.2011

A Wild Year - Banff National Park

バンフマウンテン・フィルムフェスティバルでも知られるカナダのバンフ国立公園。カナディアン・ロッキーの観光拠点となるバンフは、カナダで最初、世界でも3番目に古い国立公園のようです。この映像は、バンフの森の様子を定点カメラで一年間撮影した映像です。センスいい〜。



11.16.2011

Andrew Skurka's Alaska Yukon Expedition

この記事もまた古くなりますが、好きな映像という事でアップします。

Andrew Skurkaをはじめての知ったのは、JMTに行く準備をしていた去年の春頃。
たくさんの情報を得ようと海外のサイトも含めてリサーチをしている中で、とてつもない冒険をしているハイカーの情報が目に入った。Andrew Skurkaは「Great Western Loop」と題して、 PCTとCDTのロングトレイルを繋げつつアメリカ西部をぐるっと一周スルーハイクする。
総距離11,064km、一日の平均歩行距離53km、日数208日という驚異的なハイクをはじめて成し遂げた。このハイク/冒険は、National Geographicが選ぶこの年のADVENTURE OF YEARにもなった*間違っていたらご指摘いただけるとありがたいです。

そのAndrew Skurkaが、2010年に成し遂げた冒険が、「Alaska Yukon Expedition」今度は、アラスカ半島をぐるっと一周する冒険を達成した。
総距離7532km 日数176日、川を下り山を越えてゆく冒険。最近色々な所で目につくアルパカラフトもこの冒険から広まっていったのだろうか。Andrew Skurkaは、常にハイカーの冒険心を刺激する。今の僕にとってヒーローのような存在だ。



気になるギアリストはこちら


11.15.2011

Green Tunnel

随分前に、モリカツさんのツィートで知った映像です。フェイスブックでもアップした事がありましたが、お気に入りの映像作品をブログでもリンクしていこうと考え、まずはこの映像からアップする事にしました。

Green Tunnelは、アメリカの三大トレイルの一つAT(アパラチアン・トレイル)3500kmをスルーハイクする感覚をハイカー視点で追体験出来るような作品となっています。
ATは、アメリカの東海岸をジョージア州からメイン州まで14州をまたがるロングトレイルです。今年トリプルクラウン(アメリカ3大トレイルをすべてハイクする事)を達成した船田さんが最後にスルーハイクされたロングトレイルでもあります。また、自分も読んでいる加藤則芳さんの著作「メインの森をめざして」に詳しく書かれています。その著作によると、PCTやJMTに代表される西海岸のからっとした壮大な景色というよりも、雨も多く、奥多摩や奥秩父のような樹林帯をずっと歩いて行くようです。Green Tunnelとはまたいいタイトルだと思います。


最近は、こんな山の映像作品にとても惹かれています。バンフマウンテンフィルムフェスティバルも毎年楽しみにしていますし、また映像作品への興味が湧き始めています。






11.11.2011

奥秩父紅葉ハイク2日目

2011.11.9


日が上がるのも随分と遅くなってきた。
6時を過ぎて、少し明るくなってから起きた。
氷点下にはいかないまでも、朝方は少し冷える。寝袋をかかえながら外に出て、ぼーとしながら、少しづつ明るさが増してくる朝を楽しんでいた。お湯を湧かしてコーヒーを飲んで目が覚めるのを待つ。
yumiが起きてくるのを待って、さっとシェルターを片付けて、朝食を食べないで出発した。


 テント場からの景色。

 三条の湯のテント場。若干地面が岩などで荒れているが、素晴らしい立地です。

 まずは、飛竜に向けて急登を歩く。

 今回使ったバックパックは、自分はONEのサンプル、yumiは、以前試作したMini ONEを使った。二人とも赤いバックパック。ストックは、山と道カーボンU.L.トレッキングポールの2号。1号は接続部分にアルミを使ったが、2号は接続部分や強化部分にリペアテープを使った。1号の補修でリペアテープが活躍したことを受けての発想。1号よりさらに軽量で57g 。多分世界最軽量のトレッキングポール。帰り道でyumiが使っているLEKIを持ってみたが、あまりの重さに驚いた。山と道カーボンU.L.トレッキングポールは持っている重さの感覚が無いに等しい。もう少し使って実用性を試してみたい。

 1カ所崩れている場所がある。

 飛竜山が見えてきた。

 稜線に近づくに連れて、広葉樹の紅葉も終わり熊笹へと変わる。

 山の連なりが気持ちよい稜線へと上がる。

 稜線沿いの足場の作り方など、トレイル整備が素晴らしいと思う。


 飛竜の分岐に出る。飛竜の山頂よりもすぐ近くの禿岩へと向かう。



 禿岩は、分岐からすぐの場所。山から突き出た岩場で、大菩薩、奥秩父の山々が一望出来る絶景地点。低山がきれいに紅葉している様は、まるで赤い絨毯のようにも感じる。

 ここで、朝食を食べてまったりと時間を潰す。

 分岐から、天平尾根に向けてはじめてのトレイルを歩く。天平尾根とミサカ尾根をつなげて、紅葉時期に歩きたいと思っていたのだ。

 飛竜から前飛竜へのトレイルは、歩く人も少ないのか少しワイルドな雰囲気。

 前飛竜のピークから、これから歩く尾根が見える。

前飛竜のピークからミサカ尾根への下りはかなり急で岩場も多い。

 岩場を越えると、ようやく高速登山道ミサカ尾根へ繋がる。


 紅葉はもう終わっているのか、天平尾根程見事な紅葉は見られないのかもしれないが、ふかふかの落ち葉と広々としたトレイルが気持ちよい。

 ときたま走ってみたり。

 そうこうするうちに、すぐに、サオラ峠に出てしまった。天平尾根へと続けて入る。



 
やはりというか、天平尾根は本当に素晴らしい。高くそびえる唐松の美しい紅葉。




天平尾根の天平迷彩。唐松から広葉樹へと変化したり、植物が変化する事でトレイルも含めて紅葉の景観が変わっていく。

 丹波天平。トレイルも、降り積もる落ち葉で消えて、だだっ広い原っぱを歩く感じ。




 黄色と赤の紅葉から、きれいな緑へと変わる。色の洪水を浴び続けているようだ。

 いっそう緑の色濃い場所があるなと思った所、

 そこには祠があった!


さらに植生が変化してくる。天平尾根本当に素晴らしい。この時期は落ち葉でトレイルの踏み跡も消えてしまい、地形を見ながら赤テープを追いながら歩く事になる。

 気持ちの良い尾根が終わると、廃村跡に出ます。少し寂しいです。
前は、この廃村跡からの登りの場所が少し分からず、迷ったりしました。新しく看板が出ていたので分かりやすくて助かります。

廃村跡を越えて、バス亭へと向かう。バスの到着時間に1時間以上の時間があるので、となりのお祭りまで歩く。が、バス亭にあるおまつり荘も定休日という事で、さらに歩いて、鴨沢まで歩いた。バス停近くの酒屋で、ビールとつまみを買って、バスの到着を待つ。少しずつバスを待つ登山客も増えていく。奥多摩駅近くの温泉「もえぎの湯」により、あったまった後、駅裏の小料理屋で食事をする。薫製の岩魚、自家製のこんにゃくの刺身、そばがき、わさびの三杯酢など、どれも大変美味しかった。常連のお客さんが持ち込まれていた澤乃井の古酒をごちそうになった。奥多摩の地元の話をいくつか教えていただく。家の話になると、空き家は多くあるも物置きとして使っている方が多く、家を貸したりする事は少ないという話は興味深かった。十分に飲んで食べて満足して帰路についた。
今度は、奥多摩の澤乃井の酒蔵に行きながらハイクしてみようと思う。