2011.10.21
寝苦しくて眠れない。身体の節々が痛く、完全に風邪を引いたような気がする。3時頃、星がまだ出ている中、外でお湯を湧かして何かを食べたりして時間を潰す。月の周囲に輪があらわれる月暈が見えた。天気がもうすぐ崩れる兆しが出ている。早く下山しなくては。
少しずつ明るくなってきて、同じくというか、2日目からずっと体調の悪いyumiも起きてきた。カップヌードルご飯の具を抜いて、ご飯だけにお湯を多めに入れてお粥風の食事を作った。味もしないけど、さっぱりとした食事なら食べれるみたいだ。今日はまず双六小屋を目指す。まだ営業をしていると思う双六小屋でコーラを飲み、うどんを食べる事が、体調の悪いyumiの目下最大の目標。
稜線沿いを歩いて三俣蓮華を目指す。
三俣蓮華分岐。槍、穂高、西鎌尾根、硫黄尾根が目の前に見える。薬師岳からここまでの優しい雰囲気の山とはまた違う荒々しい迫力に満ちた山々が広がる。山を越えていくごとに新しい山の魅力にふれていくのが楽しい。西鎌尾根を越えて、槍ヶ岳をのぼり、上高地か新穂高温泉へと向かう道が本来の目標だったが残念だ。槍ヶ岳の小屋で美味しいカレーが食べたかった...。
三俣蓮華から、双六小屋までは、写真の右の双六岳を経由する稜線沿いの道と、山の中腹を歩いていく巻道を選ぶ事が出来る。巻道を歩こうかと考えたが、巻道への道が分かりにくかったので、まずは稜線沿いに歩き途中から巻道に合流する道を歩く事にした。
分岐から見える雲の平。小さいけど真ん中に新しく改築した小屋が見える。
三俣蓮華の巻道はとても素晴らしい。今回歩いてきた中では、ザラ峠、黒部五郎の北カールと、三俣蓮華の巻道が特に僕ら好みだった。ここで室堂で知り合った秋田のおじさんにいただいた寒餅(なんども凍らせて乾燥させた餅)を食べる。とても軽くて、さっぱりとしていて腹持ちが良い。東北の農家の知恵。
待望の双六小屋。とても静か。誰もいないような...。もう小屋締めした後かと思ったが、窓が開いているのを見つけた。人はいる。小屋の前でyumiが降りて来るのを待つ。二人で小屋のドアを開けた。「こんにちは〜。」と声をかけてみるがなかなか返事がしない。もう一度大きな声で呼びかけてみると返事がある。若い小屋のスタッフが降りてきた。食事が出来ないかと聞いてみると....。
「小屋は昨日締まりました。」
このときのyumiのショックの大きさを考えると心が痛い...。
今は小屋締めの真っ最中。食事は無理でも何か飲み物は買えないかと聞いて、探してもらったが片付けてしまった後だった。スタッフの方には新穂高温泉までのトレイル情報と下山後の温泉などの情報を色々と親切に教えていただいた。
また、休む事なく、お互い体調の悪い身体を引きずって山を降りていく。
言葉も少なくなる.....。
双六小屋から新穂高温泉までのトレイルがまた良かった。道は歩きやすく、適度なアップダウン。稜線に出ると、絵に描いたような槍と穂高が真っ正面に見える。
弓折乗鞍付近のベンチで大休憩。
弓折乗鞍から、鏡平に降りる。こちらのブログでRPG感たっぷりと呼ばれた場所。一つ違うのは、橋が撤去されている。よりRPGっぽくなっている?小屋締めした後は、橋も無くなるんだと知りました。ドラクエ、ゼルダ好きのyumiは、撤去された橋を渡るのは苦手みたいだった。
鏡平を越えると岩場が続く。遠くに林道へと続く終着地点の橋が見える。
標高を下げていくと山が紅葉しはじめた。
ようやく下山して、林道を新穂高温泉のバス亭へと向かう。下山後の林道歩きのyumiの足取りは早い...。いつも思う。その体力はどこに温存されているのかと。
バス亭に出発直前のバスが待っている。最後のダッシュ。バスへと飛び乗り平湯温泉へと向かう。バスの中で、平湯温泉の宿と次の日の高速バスの時刻を調べてそれぞれ予約する
ハイクというよりも、北アルプス...つくづく登山だな〜。と思った4日間でした。