8.29.2011

JMT Section Hike 8日目

2010. 7/17
山の天気がとても気になっていた。もし、山の天気が悪いようなら、出発を延期しようかとも考えていた。早朝早く起きて、湖の方に行き、釣りをしながら山の天気を見ていた。


山の天気は良さそうだ。また夕方になれば、悪くなるかもしれないが、楽しく歩く事は出来そうだと思い、出発する事にした。食料を受け取り、カメラのバッテリーが切れそうだったので、「写ルンです」を買ってみた。その他、足のケア道具などを買い足す。 VVRは思っていたよりも....お金がかかりました。


9時頃に、水上バスは出発する。水上バスには、MLDを背負っているハイカーがいた。フロントのメッシュポケットに大きなかわいいぬいぐるみを入れている男性のソロのハイカーだった。湖を水上バスは気持ちよく進む。対岸には、レッズメドウの先で出会ったハイカー二人組が、手を降って水上バスの到着を待っていた。彼等は、上半身裸の上に、コンビニで売っているようなビニールのカッパをレインギアとして使っていた。樹林帯の夏とはいえ、昨晩は大変だったんじゃないのかなと思いつつ、その出で立ちのパワフルさに魅力を感じたりもした。


水上バスから降りると、各自のペースでトレイルへと復帰する。延々と繰り返すスイッチバックを歩き、約600m程標高を上げていく。登りきると気持ちよい平坦なトレイルになる。太陽も降り注ぎ、あまりにも気持ちが良いので少し昼寝をする。峠を越えるように歩いた先には、また新しい山々が開けている。次の峠セルダンパスを目指す。


また植生が変わってくる。ポプラのような丸いとてもかわいらしい木々が増えてくる。風にゆれるととても気持ちよくなびく。色も淡い黄緑で本当に美しい。またセイジがたくさん生えていて良い匂いがする。ヨセテミの松や杉などの針葉樹林にはじまって、少しずつ植生が変わってくるのもJMTの楽しさだと思う。


水作り。放射能も除去するセイシェルという浄水器を使った。押しやすいと評判の浄水器だったが、それでも水作りは大変。残雪期の雪解け水が溢れているこの時期はどこでも水が手に入るが、雪が消えてしまうと、水は手に入りにくくなるのかもしれない。


午前中はとても天気が良かったが、午後になるとまた崩れてくる。同じような天気が繰り返すのかと思うと不安になる。


川?? いえいえ、トレイルです。僕らは非ゴアのトレランシューズを履いて歩いていた。こんな所をずっと歩いていると、足が乾いている状況はほとんど作れなくなる。ゴアテックスのハイソックスを1足持って行けば良かったと思った。この頃には、足もだいぶぼろぼろになり、まめ、水ぶくれ、擦れなどを、絆創膏などの救急道具でどうにかケアしながら歩いている状況。ならば、ゴアテックスの靴はと思うかもしれないが、渡渉が多いので、普通のゴアテックスの靴では、水が入ると今度は水が抜けなくてバケツのような状態になってしまう。固めの登山靴だと、これだけの距離を歩くとなると早々に足が擦れてマメが出来そうな気がする。非ゴアのトレランシューズが基本にはなると思う。足の状態が悪くても、ケアをすれば、靴が柔らかいので傷をあまり圧迫せずどうにか歩く事は出来る。道行くハイカーの大半は、トレランシューズを履いていた。サロモンが人気高かったように覚えている。


 一旦山を下り、美しいと評判のマリーレイクを目指す。VVRで噂になっていたエヴォリューションクリークをyumiは怖がっていた。過度に恐がりすぎたせいかもしれない。そして、その当時、沢歩きの経験も無く、流れが強い川を渡る対処方法を間違えてしまった。それは、ベアークリークという川で起こった。





流れが大変強く、太もも程の深さのある川だった。バカ正直に、向こう岸に続くトレイルを目指して、川の中に入ってしまった。何かあったときに、すぐに対処出来るようにと、yumiを先行させてしまった。流れが強いからゆっくりと確実に歩かなくてはならない。「ゆっくりと確実に」という声を出すも、yumiは焦ってしまい、早く渡りきろうとしてしまった。そして、流れに足を取られて、yumiは川に流されてしまった。僕はすぐに追いつこうと、川の中を走り出していく。数m程流されてyumiは対岸に流れ着いた。本来は、安全に渡れる渡渉場所を探すか、スクラムを組んで渡渉すべきだった。


 ずぶぬれになった服を脱ぎ、着替える。流されたばかりで落ち込んでいる中、追い打ちをかけるように、道行くハイカーは、「エボリューションクリークは気をつけろ!」と、こちらは何も言っていないのにしゃべってくる。この先に、流されたベアークリークよりもすごい川が待っているらしい。そして、また雷が鳴り出し雨が降りはじめた。身体も濡れた後だったので、早々にタープを張って雨宿りをする事にした。タープの中でアルコールストーブに火を付ける。それだけでかなり暖まる事が出来た。元気の良いハイカーは上半身裸でへっちゃらで歩いていく。1時間程して小雨に変わったので、またトレイルを歩き出す。yumiは気持ち的にかなり落ち込んでいる事だろう。景色は樹林帯を抜けて、高地の景色へと変化していく。すぐに晴れ間が広がり、日が暮れる前の気持ちよい空が広がる中、19:30頃マリーレイクに到着した。


素晴らしく美しい湖だった。ずいぶん心が慰められる。水辺から少し離れた所にタープを張り、濡れた服を干した。早速、釣り竿を取り出して、釣りを始める。きれいなトラウトがたくさん釣れた。


釣ってはリリースを繰り返しているうちに、1匹も釣れなくなってしまった。全てのトラウトを釣ってしまったのか、ルアーに魚が寄ってくるも、すぐにルアーに気がつき逃げてしまう。yumiも興味を持ってタープから出てきて釣りをしてみる。すでに時遅し。1匹も釣れる事は無かった。


トイレを探しに、奥の方に入っていく。見渡すかぎり誰もいないと思っていたけど、木に隠れてキャンプをしているハイカーが見えた。彼等のキャンプサイトの近くでトイレをする所だった。


夕焼けがはじまる中、ご飯を食べる。マリーレイクは、1万フィート(約3000m)を越えるので、焚き火をする事は出来ない。今日は、本当にたくさんの事があった。

行動距離 21.2km