2010. 7/11
5:50分にlliloutteを出発する。とても気持ちの良い朝。lliloutteフォールを通過して、ヨセミテの山並みを見ながら歩くパノラマトレイルはとても気持ちがいい。一つ一つの山がとても大きく、すごく壮大で、まるで神話の中にいるような景色。
パノラマトレイルを歩き、まず目指すのはネバダフォール トンネルビューの右手に見える巨大な滝。ここで、JMTと合流する。ネバダフォールの下にはミストトレイルという水しぶきを浴びながら歩くトレイルもある。暑い夏にはとても気持ちがよさそうなトレイルだ。
海外トレイルのすごいのは、巨大な滝が流れ落ちるそばまで行ける事。
この滝の上で、朝食を食べる事にした。トレイル上にもデイハイクを楽しむハイカーが少しづつ増えてくる。
以前、JMTの食の方でもご紹介したアメリカのトレイルフード。yumiはあまり好きではないみたいだけど、鶏肉がまるごと2枚入っていたのには感動したな〜。
ようやくJMTと合流。マウントホイットニーまで、215マイル(346km)、僕たちの次の目的地トォルミーメドゥは、17マイル(27km)翌日に到着予定。
巨大松ぼっくり。リトルヨセミテを越えたあたりで、デイハイカーはほとんど見えなくなる。変わりに、大きなバックパックを背負ったハイカーが目立つようになってくる。大きなグレゴリーのバックパックを背負ったハイカーと話をしてみると、JMTのスルーハイクを目指すという。まだお互いにハイキングがはじまったばかりで、興奮しながら話をした。意気込みをとても感じる。少しづつ人もまばらになり、ハーフドームの分岐を越えたあたりで、誰もいなくなる。 静かな山歩きがようやく始まった。この後に事件は起こった。
「あの草むらから顔を出しているのは、タヌキかな?」とyumiが聞いてくる。
トレイルの脇の距離にして3m程の場所から顔を出している黒い動物....顔は確かに小さいが、それはタヌキでは無い。「ブラックベアーだね.....。」とyumiを驚かさないように、笑い?ながら答える。向こうはじ〜とこちらを見るので、僕も笑いながら見つめ返す。逃げたら、追いかけてくるというから、動かずに向こうの動きを伺う。そのうちに、興味を無くしたのか、そっぽを向き、草を食み始める。ほっと胸をなで下ろし、ブラックベアーを観察する事にした。顔の小ささに比べて身体は大きい。とはいっても、驚く程大きいわけではない。大きな黒い犬という大きさ。とても優雅にゆっくりと動き、ブラックベアーはそのうち森の中へと消えていった。出会いはうれしいやら、怖いやらで、なんとも言葉に表せない。神秘的な体験をしたんだ。という気持ちだけがずっと心の中に残っている。写真を撮る事は出来なかったが、この時の出会いを僕は一生忘れる事は無いだろう。怖いというよりもブラックベアーがいる豊な森を歩ける事がうれしい。人間はある一定の恐怖を感じると、どこかが麻痺して何か脳内物質が出るのかもしれない。トレイルをさらに進む事にした。
遠くに、カセドラルパスが見えてくる。峠の手前のサンライズを今日の目標としていた。
トレイルを歩いていると向こうからも当然ながらハイカーが歩いてくる。簡単な挨拶をしながらお互いに情報交換をする。どうやら、サンライズは蚊が大変らしいという事が分かった。その時には蚊が大変らしいという事がどういう事か、頭では理解出来ても、身体は理解出来ていなかった。
サンライズは開けていて、まるで尾瀬のような美しい場所だった。
この場所で泊まれる事のうれしさを思いながらテント場を探すけれども、蚊があまりにも多い。止まって作業をすると、身体の回りを数百匹はいるのではないかという蚊に巻かれる。
気が気ではなくなり、サンライズでキャンプを張る事を諦める。ヘッドネットという蚊から顔、頭を守るネットもある。蚊が寄ってこない強力な虫避けがある。それでも、はじめてそれだけの蚊に巻かれると、気が気ではなくなる。いたる所に蚊柱がたっていた。
蚊から少しでも離れようとトレイルをさらに歩く。蚊の発生はある情報によると、2週間程で無くなるらしい。蚊がいる所、いない所というのは、蚊の発生が早いか遅いかの差なのかもしれない。2週間後であれば、サンライズで素晴らしいテント泊が出来たかもしれない。
歩いているうちは、大丈夫でも止まると蚊は寄って来る。川のそばを歩いているうちは仕方が無いのかもしれない。それでも川から離れると水が無くなってしまう。日が沈みはじめたあたりで、歩くのを諦め、カセドラルパスの手前、ロングメドウで泊まる事にした。なんとなく、トレイルを離れて森の中に入っていく。すると、不思議とテントに適した場所と、焚き火サークルが現れる。ハイカーが考える事は大体同じなのかもしれない。長い時間をかけて、同じ場所で、なんとなく森の中に入っていくハイカーが数多くいたのであろう。誰もいない森の中に昔から続くハイカーの足跡を感じる。長い時間をかけて作り出してきたハイカーの楽園なんだ。という事を感じる。
結局の所、蚊はいる。ヘッドネットをかぶって諦めるしか無い。ご飯を食べたら、全ての食料、匂いのする物をベアキャニスターに入れて、眠る場所から50m程離して置いておく。
夜、目を覚まして、空を眺めると満点の星空。こんなに美しい星空は沖縄の竹富島で見た以来の、本当に美しい星空だった。
歩行距離24.8km
5:50分にlliloutteを出発する。とても気持ちの良い朝。lliloutteフォールを通過して、ヨセミテの山並みを見ながら歩くパノラマトレイルはとても気持ちがいい。一つ一つの山がとても大きく、すごく壮大で、まるで神話の中にいるような景色。
下はハーフドーム
パノラマトレイルを歩き、まず目指すのはネバダフォール トンネルビューの右手に見える巨大な滝。ここで、JMTと合流する。ネバダフォールの下にはミストトレイルという水しぶきを浴びながら歩くトレイルもある。暑い夏にはとても気持ちがよさそうなトレイルだ。
海外トレイルのすごいのは、巨大な滝が流れ落ちるそばまで行ける事。
この滝の上で、朝食を食べる事にした。トレイル上にもデイハイクを楽しむハイカーが少しづつ増えてくる。
以前、JMTの食の方でもご紹介したアメリカのトレイルフード。yumiはあまり好きではないみたいだけど、鶏肉がまるごと2枚入っていたのには感動したな〜。
ようやくJMTと合流。マウントホイットニーまで、215マイル(346km)、僕たちの次の目的地トォルミーメドゥは、17マイル(27km)翌日に到着予定。
巨大松ぼっくり。リトルヨセミテを越えたあたりで、デイハイカーはほとんど見えなくなる。変わりに、大きなバックパックを背負ったハイカーが目立つようになってくる。大きなグレゴリーのバックパックを背負ったハイカーと話をしてみると、JMTのスルーハイクを目指すという。まだお互いにハイキングがはじまったばかりで、興奮しながら話をした。意気込みをとても感じる。少しづつ人もまばらになり、ハーフドームの分岐を越えたあたりで、誰もいなくなる。 静かな山歩きがようやく始まった。この後に事件は起こった。
「あの草むらから顔を出しているのは、タヌキかな?」とyumiが聞いてくる。
トレイルの脇の距離にして3m程の場所から顔を出している黒い動物....顔は確かに小さいが、それはタヌキでは無い。「ブラックベアーだね.....。」とyumiを驚かさないように、笑い?ながら答える。向こうはじ〜とこちらを見るので、僕も笑いながら見つめ返す。逃げたら、追いかけてくるというから、動かずに向こうの動きを伺う。そのうちに、興味を無くしたのか、そっぽを向き、草を食み始める。ほっと胸をなで下ろし、ブラックベアーを観察する事にした。顔の小ささに比べて身体は大きい。とはいっても、驚く程大きいわけではない。大きな黒い犬という大きさ。とても優雅にゆっくりと動き、ブラックベアーはそのうち森の中へと消えていった。出会いはうれしいやら、怖いやらで、なんとも言葉に表せない。神秘的な体験をしたんだ。という気持ちだけがずっと心の中に残っている。写真を撮る事は出来なかったが、この時の出会いを僕は一生忘れる事は無いだろう。怖いというよりもブラックベアーがいる豊な森を歩ける事がうれしい。人間はある一定の恐怖を感じると、どこかが麻痺して何か脳内物質が出るのかもしれない。トレイルをさらに進む事にした。
遠くに、カセドラルパスが見えてくる。峠の手前のサンライズを今日の目標としていた。
トレイルを歩いていると向こうからも当然ながらハイカーが歩いてくる。簡単な挨拶をしながらお互いに情報交換をする。どうやら、サンライズは蚊が大変らしいという事が分かった。その時には蚊が大変らしいという事がどういう事か、頭では理解出来ても、身体は理解出来ていなかった。
サンライズは開けていて、まるで尾瀬のような美しい場所だった。
この場所で泊まれる事のうれしさを思いながらテント場を探すけれども、蚊があまりにも多い。止まって作業をすると、身体の回りを数百匹はいるのではないかという蚊に巻かれる。
気が気ではなくなり、サンライズでキャンプを張る事を諦める。ヘッドネットという蚊から顔、頭を守るネットもある。蚊が寄ってこない強力な虫避けがある。それでも、はじめてそれだけの蚊に巻かれると、気が気ではなくなる。いたる所に蚊柱がたっていた。
蚊から少しでも離れようとトレイルをさらに歩く。蚊の発生はある情報によると、2週間程で無くなるらしい。蚊がいる所、いない所というのは、蚊の発生が早いか遅いかの差なのかもしれない。2週間後であれば、サンライズで素晴らしいテント泊が出来たかもしれない。
歩いているうちは、大丈夫でも止まると蚊は寄って来る。川のそばを歩いているうちは仕方が無いのかもしれない。それでも川から離れると水が無くなってしまう。日が沈みはじめたあたりで、歩くのを諦め、カセドラルパスの手前、ロングメドウで泊まる事にした。なんとなく、トレイルを離れて森の中に入っていく。すると、不思議とテントに適した場所と、焚き火サークルが現れる。ハイカーが考える事は大体同じなのかもしれない。長い時間をかけて、同じ場所で、なんとなく森の中に入っていくハイカーが数多くいたのであろう。誰もいない森の中に昔から続くハイカーの足跡を感じる。長い時間をかけて作り出してきたハイカーの楽園なんだ。という事を感じる。
結局の所、蚊はいる。ヘッドネットをかぶって諦めるしか無い。ご飯を食べたら、全ての食料、匂いのする物をベアキャニスターに入れて、眠る場所から50m程離して置いておく。
夜、目を覚まして、空を眺めると満点の星空。こんなに美しい星空は沖縄の竹富島で見た以来の、本当に美しい星空だった。
歩行距離24.8km