8.18.2011

JMT Section Hike 1日目


2010. 7/10

4:50 San Francisco → 12:30 Yosemite - Visitor Center到着
13:30 Glacier Point Tours → 1530 Glacier Point到着
15:50 Glacier Point → 17:00 Illilouette到着

朝3時に起きた。準備をして、バスが出発する港へと向かう。
大体の場所は分かっているが、いまいちバス停の場所が分からない。
なんとなく目星をつけていると、出発時間が近くになるに連れて人が集まり出した。
バスも到着してみんな乗り込む。まだ暗い中、出発予定時間よりも数分早く出発したように記憶している。遅くても15分前にはついていた方が良いなと思った。乗客を見ていると、ヨセミテの観光がメインで、僕らのようなハイカー、バックパッカーはあまりいなかった。

バスは市内を離れて進んで行く。少しずつ夜が明けて朝日が出て来る。
山の稜線沿いに無数の風力発電機が並んでいる。100機を越えるのではないかという数だ。
なんともきれいな景色だった。


バスはひとまず、Stocktonという町に向かう。
そこで、とても楽しみにしていたアムトラックという電車に乗り換る。サンフランシスコからヨセミテまでのチケットは、バスも電車も全て含めて、アムトラックのwebサイトで一度に購入した。アムトラックは、上下の2階席となっていた。席が予約だったかどうかはあまり覚えていない。アムトラックは出発し、ゆっくりと進んで行く。今度はMercedという町に向かう。


Mercedは、シエラネバダ山脈の西側のとてもきれいな町だった。
Mercedでさらにバスに乗り換え、ようやくヨセミテの中心にあるヨセミテロッジへと向かう。
合計で6時間程の旅になる予定だ。
ヨセミテの手前で、マリポサという場所を過ぎる。自分が持ってきたゴッサマーギアのバックパック、マリポサと同じ名前の場所だ。この名前の付け方を日本に置き換えると、上高地とか、槍ヶ岳という名前の付け方と同じになるのだろうか。

ヨセミテの近くになると、随分と道が込み始めた。年間300万人以上が集まるヨセミテは、アメリカでも有名な観光地だ。季節は夏の真っ盛りの週末。当然の結果かもしれない。そのうち渋滞となり、ゆっくりとしかバスが動かなくなった。僕らの目的地はこのバスの終点のヨセミテロッジでは無い。ヨセミテロッジから、広いヨセミテ内をウィルダネスセンターに移動して、JMTを歩く為の許可証Wilderness Use Permitを修得し、その後に、ハイキングの出発地点となる、ヨセミテ内にあるグレーシャーポイントに、さらに予約したバスで移動しなくてはならない。当初の予定では次のバスの出発時刻よりも2時間程前に到着する予定になっていたが、渋滞のせいで、時間が刻一刻と過ぎていく。焦りがだいぶ高まってきたところで、ようやくヨセミテフォールが見えた。(ヨセミテフォールは、北アメリカで一番高い落差739mの滝。丁度この時期の残雪期が一番の見頃で、8月になると水が無くなるらしい。)


夢にまで見たヨセミテに入った。アンセルアダムス、ジョンミューア...。数多くの写真や文章で語られてきたヨセミテ。エルキャピタン、ハーフドームをはじめとした1000mのビッグウォールも見えてくる。ようやく1時間以上遅れてバスはヨセミテロッジに到着した。ヨセミテは、連休の上高地のような込み方だった。人、人、人で溢れていた。バスを降りてすぐに、ウィルダネスセンターへの移動方法を探し出し、オフィスのある地点まで周遊バスが動いてる事を知る。バスに乗り込みオフィスへと移動する。ウィルダネスセンターの若いレンジャーは、眼鏡に深いヒゲをはやしていてヒッピーやビートニックのような雰囲気がある。「ベアキャニスターを持っているかね。」「このハイキングの日程で食料は少なくないかね。」「焚き火はするかね。」など質問を受ける。本来はトレイルの雪の状況などを聞きたかったが、時間が無い事をつたない英語でレンジャーに伝え、許可証の発行を急いでいただく。シエラネバダのハイキングルールの説明を受けて、ようやく許可証を発行してもらえた。バスの出発時間は30分を切っている。オフィスを出ると、アンセルアダムスの写真展示会場など、後ろ髪を引かれながらも、グレーシャーポイント行きのバス乗り場のあるヨセミテロッジにまた戻る。次はバスのチケットを入手しなくてはならない。ここのバスチケットは、電話予約のみとなっていたので、僕のつたない英語で予約が取れていたかとても心配していた。チケットを修得する列に並び、焦りながら待つ。スタッフにチケットを予約している事を伝えた。本当に予約が出来ていたのかは正直分からないけれども、無事チケットを入手出来た。これで、ようやく、最後のバスに間に合う事が出来た。
トンネルビュー バスから降りる事は無くバスの車中から眺める事となる。

最後のバスは、グレーシャーポイントツアーという、ヨセミテの有名な景観「トンネルビュー」を見ながら、グレーシャーポイントという高台へと向かう観光バスになっている。もともと、時間があれば、有名な「トンネルビュー」を見たいと思っていたから、このバスツアーと、グレーシャーポイントからのハイキングのスタートは良かったかもしれない。でも、それは結果的な事であって、実際は、本来の意図と違うものであった。
 JMTというからには、ヨセミテのハッピーアイルから歩くのが本来の行程になる。が、しかしJMTのハイキングの許可申請が遅れた為に、自分が検討していた期間の、ハッピーアイルからのルートは全て予約(リトルヨセミテ、サンライズなどの宿泊地)で一杯となっていた。そのために本来のJMTルートから歩くのを断念せざるを得なかった。 朝早くに当日分の許可書を得るために並ぶという方法もあるが、2週間という限られた期間を目一杯使っている僕たちには、その時間の余裕を持ち合わす事が出来なかった。そこで、別ルートとなるグレーシャーポイントをハイキングの出発点とする事とした。もしかしたら、時間があればウィルダネスセンターでハッピーアイルからトレイルを歩く交渉が出来たのかもしれない。

グレーシャーポイントのハイキングの出発点となるトレイルヘッド

グレーシャーポイントからの景色

グレーシャーポイントからは、ハーフドームをはじめとして、ヨセミテ中を見渡す事が出来る。売店もあり行動食などのフード類も充実している。

グレージャーポイントからJMTに合流するまでのトレイルは、パノマラトレイルという。グレーシャーポイントからハッピーアイルまでの景観の良いトレイルで、途中まで歩く予定になっている。早速、トレイルヘッドを通過して、本日の宿泊地となるIllilouetteフォールへと向かう。宿泊予定地までは、2マイル(3.2km)程。許可証のルールでは、初日のキャンプ地のみ、事前に申請した場所でする事がルールとなっている。次の日からは、自由に人の目の付かない所でキャンプをする事が出来る。グレーシャーポイントからトレイルを下る。左にヨセミテの景観がずっと広がっている。歩きはじめてすぐに、Illilouetteフォールが見えてくる。


初日の事前申請したキャンプ地には、キャンプ場があるわけではない。Illilouetteに着いてからトレイルをはずれて、今日の宿泊地を探す。すぐに、川のそばにキャンプに適した場所を見つける。焚き火サークルもあり、過去からずっと数多くの人がここでキャンプをしてきたことが伺える。JMTでは、1万フィートより下、焚き火サークルの中だけという条件で、焚き火をする事を許可している。
早速、レイウェイタープを張る。加藤さんの本や、実際のJMTを歩かれた方の多くが蚊の大群に悩まれた事を書かれていたが、初日のこの場所では、悩む程の蚊に出会う事は無かった。ご飯を食べてほっとするも、まだ、街で生活していた自分が抜け出せず、日本を離れ、誰もいない自然の山の中にいる事に少し違和感を感じている。川で釣りでもしようかとも考えたけど、ずいぶん疲れていたので、熊がいないかどきどきしながらも、すぐに眠る事にした。