2010. 7/13
朝早く起きる。肌寒い。薄暗い中、川まで降りて水を汲む。タオルを水に浸して絞り、身体を拭く。気持ちがいい。今日は、昨日の遅れを取り戻すべく、JMTのハイライトの一つ、サウザンド・アイランド・レイクを目指す。うれしい誤算だった。ライエルキャニオンは素晴らしく美しい。昨日この場所を歩き抜ける事なく、この場所で寝て起きて、美しい早朝を歩けた事は本当良かった。バンビが走り回る姿をはじめて見て、リスやマーモットがそこら中で遊んでいる。ディズニーの世界そのものの場所、それがライエルキャニオン。
少しづつ日が上がってくる。
途中、はじめてU.L.ハイカーとも出会った。彼等はカップルでULAを背負っていた。
最高に気持ちいい朝だから、笑顔が溢れてくる。トレイルですれ違うハイカーもみんな同じ気持ちに違いない。顔を見れば一目瞭然。
いたるところが、川になっているトレイルを歩いて行く。濡れてもへっちゃら。
遠くに見える雪を抱えたドノヒューパス3368mをまずは越えるべく目指す。
ハイキングのすごい所は、写真のように、遠くに見える山を実際に越えていく事。
暖かい場所もあれば、雪の場所もある。一日の内に四季も渡り歩いて行く事。
峠越えの途中、今朝歩いてきたライエルキャニオンを振り返る。
アッパーライエルの先ではじめての本格的な渡渉を行う。膝ぐらいの深さ。なによりも、雪解け水の冷たさが...痛い。これから雪の世界に向けてさらに高度を上げていく。この先は、確か土屋さんも少しロストした場所と聞いている。はじめに右側から上がるも、沢を越えて、左側にルートを取るコース。大きくトレイルの向きが変わるので、雪でトレイルが埋まっていると分かりにくい。
これは滝ではなく....トレイル。崖沿いに上がっていくトレイルの途中に雪解け水が溢れて滝になっている。
途中から、完全にトレイルが雪に埋まる。けっこう登ってきたよ...本当に。なかなか、ドノヒューパスに着かない。僕たちにとってこの峠がはじめての本格的な峠越えとなった。
ようやく、ドノヒューパス(峠)に到着。峠を越えるとまた違う山の世界が広がる。それは、ヨセミテ国立公園からアンセルアダムス国立公園に入る事も意味する。JMTは、いくつもの国立公園を越えてハイキングをする。峠を越えるたびに、新しい山の世界を体験する。
美しい森が広がるライエル渓谷と対照的な荒涼とした岩の世界。遠くからみると寂しくも感じるも、実際に歩くとこれがまた素晴らしい景色の連続。
川を渡渉する事が多くなってくる。流れもそれなりに強い。ハイカーと情報交換をして、どこから渡るといいか情報を得たりもする。
ホースライディングの二人。装備、スタイルもバッチリと揃えています。
ドノヒューパスの上からは分からなかったけれども、アンセルアダムス国立公園は、岩と木と、湖、川が織りなす素晴らしい世界。植生の雰囲気も変わり、新しい場所を歩いていると感じる。川も素晴らしい。サウザンド・アイランド・レイクを目指すも、力尽き、手前のアイランドパスのほとりを今日の宿泊地にする。二つの湖に挟まれた美しい場所。
向こうには今日越えてきたドノヒューパスが見える。
ここで、昨日トォルミーメドゥで入手した、紙パックの白ワインを開けて飲む。
美味しかった。途中熊の足跡らしきものもあった。夜にはコヨーテの遠吠えが聴こえる。
歩行距離23.8km