9.13.2011

山と道 U.L.Pad15s+体験モニター Iさんの報告

前回の沼尻さんの報告に引き続きIさんの体験報告を掲載させていただきます。Iさんは、山と道U.L.Pad15sだけでなく、Thermarest Ridge Rest (15mm)/ Thermarest Ridge Rest Delax (20mm)/Pacific outdoor SL Bascis (10mm)/MLV UL Pad (12mm)など、数多くのマットをお持ちです。以前、山と道U.L.Pad15sを北アルプスの岩場で使用した際に、防寒性能は満足出来ても、クッション性能には不満をお持ちになったそうです。少しでも軽く、かつ岩場でも眠れるマットを必要とされていました。I様は身体も大きい方とお聞きしています。身体の大きさとマットのサイズ、クッション性能は密接な関係を持っています。I様はよりクッション性能の高いマットを必要とされていたのだと思います。今回北アルプスを縦走されるとお聞きして、山と道U.L.Pad15s+のモニターをしていただきました。

Iさんの報告
身長177cm 体重95kg 


北アルプス縦走


日時:819-23,  825,26
場所:北アルプス(富山県側) / 南アルプス(北岳周辺)

以前U.L.Pad 15sを使用していて破損をしてしまい、表面強度やクッション性が欲しいと思っていたところU.L.Pad 15s+を新たにリリースするにあたってモニターを応募したところ当選。 
既存のマットとの違いを検証してみました。


*最初の印象
テストにあたって新たにU.L.Pad15sも用意して15s+と表面を比べてみた。

明らかに違う厚みというか、表面処理の違いによって弾力も増したように感じた。

15sの場合ゴム紐で固定している場合大幅に凹んだまま戻らなくなるが、15s+の場合ゴムの圧力を受けても大きく凹まず、比較的早く復元する。

以前15sを購入した時も他のマットと断熱性を比べてみたが15s+の断熱性は1枚でもマイナス20度の倉庫内でも充分だと感じた。15sを重ねて使うより良いと思う。

パッキング時に15sの場合内蔵(筒状にする)場合、出し入れに抵抗があり、一部を掴み引っ張ったら千切れた事があったが、15s+の場合リッジレスト等のマット同様に出し入れが楽になった。但し、あくまでも表面強度が増しただけなので一部分のみを掴んで引っ張ると千切れる恐れがあるので注意。それでも今回の15s+の方が毎日出し入れをする際のストレスが緩和して良かったと思った。

今回テストにあたり15s15s+の差をハッキリさせる為に両方を山に持ち込んでみた。

インナーには15s+、外付けには15sを縦に取り付ける


15sの場合グランドシート等で巻いてからインナーに使っていたけど、15s+は本当に出し入れが楽。パックライナーの中に荷物を入れた後グイグイと整形してみたが破損無し。

山行中はずっと雨の中を歩く状態が続いた為、マットの保水性が気になったが案の定外付けの15sはしばらく湿っていた。

試しに15s+を外側に取り付け歩いたが、こちらはあまり保水せず、使う前に軽く拭き取る程度で直に使えた。

テント内では上半身に15s+、下半身に15sを用い、時々上下逆で寝てみた。クッション性も明らかに違う。


15sの場合のっぺりした薄い断熱材に寝てるような感じだが、15s+の方は少し反発力を感じるというか、もっちり感があり腰痛持ちの自分には助かる。

当方177cm95kgsの体格の為、15sの軽さと断熱性を認めつつクッション性に不満があったがプラスでは改善されているように感じた。

長期の山行の場合リッジレストをフルサイズで使用するか、何種類かのマットを分断してつなぎ合わせて使用していたが、15s15s+の両方持っても従来のマットの半分の重量なので
冬場や長期でゆっくり眠りたい時は両方持っていってもいいなと素直に思えた。

当日の気温は6度、雨と風の為体感温度は更に低く感じたが、マットに直で寝て上から寝袋を被せて使うと直に自分の体温で温まる感じ。これは予想外に助かった。



15sの保水した分はエマージェンシーシートを巻いて対応したが15s+はそのままでも保水しないし暖かいので直寝付ける。リッジレストのソーライトより個人的には15s+に身体をへばりつけて眠る暖かさのほうが好きだ。

ヘタリに関しても両方交互に使ってみたものの、明らかに15s+の方がヘタっていない。インナーとして使った場合何箇所は凹んだまま戻らないが気にならない程度。

それ以上に従来のマットと同じように使えて、かつ軽いというのはありがたい。

今後もしばらく2枚体制で使ってみようかと思うが、もう他のマットが必要じゃなくなってしまったのには困った(苦笑)

長さ的には120cm160cmも欲しいけどザックのインナーに使うには100cmがベストだと思えるので15s+をそのまま、15sを若干切り取れば更に軽量化できるとは思う。ただ、個人的には軽さも大事だけど安眠もしたいので贅沢に100cm(15s+)+100cm(15s)でもいいかと思える重さと内容だと思った。

今回このような貴重なテストをさせていただいた山と道、夏目氏に感謝。

もし市販化されるに当たって一言添えるとしたら、「大柄な人でも安心して眠れるパッド、15s+、軽さと強度も勿論追求」とかじゃないでしょうか。

従来の15sで安眠できる体格の方はこのマットをどう評価するか気になるところだ。
1gの軽量化に必死にならない人であれば素直に15s+を使った方が軽量化の入口に立ちやすいような気がする。と、いうよりもこのマットを選択した時点でその他のマットは不要になるだろう。




*後日メールで体験報告をいただく際に、その後についてお聞き出来ました。


後日談

奥多摩等では幕営地をしっかり選べば15sのみでもしっかり寝れますね。 岩場だと突き上げが少ないプラスの方が有利ですが。
こうやって何度か繰り返して使うと改めて15sの良さも分かるし15s+も選択できる良さがあるのでは、と思います。リッジレストより沈み込みがある分でこぼこした場所でも突き上げ感が少ないのは面白いですね。