9.05.2011

JMT Section Hike 11日目

 2010.7/20
今日はミューアパス3644mを越えてJMTを離れる。そして、終着地点サウスレイクに降りる為にビショップパスへと向かう。10日間も歩いてきたハイキングもとうとう終盤に向かいつつある。足は互いにずいぶんとぼろぼろになった。足のいたる所が、絆創膏や、クッションなど、様々な足ケアグッズで覆われていて、だましだまし歩いている。

標高から考えると宿泊地から上は多分雪に覆われている。雪は日が高くなるにつれて、暖かくなり溶け出して歩きにくくなる。だから、いつもよりも早く起きて出発する事にした。

ミューアパスには、ミューアハットがある。僕らの今回のハイキングの目標(ゴール)としていた建物だ。JMTをセクションハイクするにしても、このミューアハットまでは行きたいと考えていた。JMT(ジョン・ミューア・トレイル)の名前の由来にもなっている、アメリカ国立公園の父、ジョンミューアの記念碑的避難小屋だ。

Sapphire Lakeの上の湖は半分凍結していた。登るにつれて、雪が多くなり、じきに全てのトレイルを雪が覆った。




雪はでこぼこした形で固まっていて、歩きずらい。トレイルは雪に埋まっているので、踏み跡を見ながら歩いていく。今回のハイキングではじめて、スパイダーなどの軽アイゼンをはめる。正直、無くても歩けたのだが、持ってきたのに一度も使わないのも残念なので、使ってみる事にした。


途中、VVRで出会ってから何度も挨拶を交わした黒人のハイカーと出会い、少し一緒に歩く。彼は、ある有名な大学の出身者らしい。VVRの水上バスで乗り合わせたあるハイカーと、彼との問答でなんとなく分かった。JMTを歩いているのは、ほとんどが白人のハイカーで、黒人のハイカーは彼以外会う事は無く、純粋な日本人にも一度も合う事は無かった。差別的な扱いを受けたと感じる事は無かったが、ハイキングというカルチャーが、ある一定水準以上の白人のカルチャーだという事を意識してしまう。




ずいぶんと長く雪の上を歩いて2時間を過ぎた頃、山の上に、小さな三角屋根の建物が見えてきた。ミューアハットだ。



石作りのとてもかわいい建物。ミューアハットはきれいに保存されていて中にも入る事が出来る。この建物は基本宿泊は出来ないらしいが、ミューアハットの周りには、テントが張れるスペースが三つ程あった。ここまで登ってきて泊まるのも良いかもしれない。この場所で、少しゆっくりとしていると、VVRで一緒になったハイカーのカップルも上がってくる。彼等にとって、ミューアハットはまだ、中間地点を少し過ぎたぐらいだ。この先1週間程かけてJMTを歩いていく事になる。まだハイキングが出来る彼等をうらやましくも思う。
ミューアハットからの下りは、少しトレースがあやふやでルートを探しながら下っていく。

ミューアパス直下の湖 Helen Lake。 水の色がとても美しかった。この湖から流れてくる冷たい川を何度も渡渉しながら、川沿いにトレイルを下る。

トレイルを下っていくと、山の上の湖から雪解け水が溢れて、トレイル沿いに、至る所から、川や滝が流れ出している。

Le Conte Canyon。真ん中にある山がGiraud Pk。この手前の谷を左に上がり、ビショップパスを目指す。


休憩中。

Big pete Meadow周辺。きれいなお花畑がいたる所にあって、かわいかった。

草原の川近くのきれいなテントサイト。柔らかい土に木のベンチ。

ビショップパスへの分岐にあるレンジャーステーション。レンジャーは外出中。外にビショップパスへ抜けるにあたっての情報がメモってあった。

そして、JMTから離れる時がきた。JMTを離れて、ビショップパスへ向けてトレイルをスイッチバックを切りながら一気に標高を上げていく。

 右手のすべらかな山肌を川が流れ落ちていく。スイッチバックを延々と繰り返し、約400m
程標高を上げていく。

途中滝が現れる。

滝の真下に橋がかけられている。

スイッチバックを登りきり、川沿いのきれいな場所を宿泊地とした。今回のロングハイクの最後の宿泊地となる。

最後の夕飯。マッシュポテト、クスクス、チキンカレー、チキンラーメンを食べて、食後にコーヒーを飲む。明日はとうとう下山。ずっと山の中を歩いて生活していると、山の中を歩いているという事が普通になってくる。その感覚がロングハイクなんだろうと思う。

行程距離29.1km