4.26.2011

八ヶ岳 渋の湯→スリバチ池→天狗岳→根石岳→硫黄岳→横岳→行者小屋→美濃戸口

2月に友人と一緒にいった2泊3日厳冬期八ヶ岳テント泊縦走。
その当時試作していたスピン生地のバックパックが破損(涙)してしまったため、ゴッサマーギアのマリポサでのハイク。スリバチ池をスノーシューで越えていく。誰もいない。トレースも無い。荒涼とした石と雪の大地。天狗岳に着く頃には夕暮れ。寒さと疲労で、少しヤバイ。スニッカーズをむさぼり食う。誰もいない、荒涼とした別世界をハイクする。映画を見ているような、現実感の無い世界。なんで、こんなに寒くて、こんなに風が強くて、誰もいないのに、心がうかれるのか。



温泉には今日はいけなさそうだ。
途中どこかでビバークしよう。風を避けれる場所を探そう。
夏沢峠の手前の林の中で僕たちはビバークした。

満点の星空。

朝の凍った靴に足を通して歩き出す。
身体があたたまるまでの最初の1時間の足と手のしびれ。身体も心も締め付けられる。
心の中で叫びながら、歩く。歩く。
夏沢峠でソロの人と合う。目がけっこういってるよ。多分僕もそう:)
硫黄岳の風は強すぎる。



アイゼンとピッケルでガシガシいく。去年きたときよりも雪も少なくて鎖も出ているし、アイゼンも締まるので、すごく歩きやすかった。いい緊張。最高の天気。
赤岳展望荘でラーメンを食べる。この後、赤岳まで行ってピストンしようか。と話していたが、もう疲れたよ。地蔵尾根から行者小屋に降りて、テントを張った。


夜半過ぎから雪が降り始め、朝には雪が積もっていた。今日は藤井さんと合流して、3人で赤岳、阿弥陀岳を攻める予定だった。携帯も通じない場所で、集合時間の8時を過ぎ、9時頃まで待って撤収することにした。雪はまだ降り積もっている。
こんな日に誰も登ってくることは無いだろうと降りている途中で、遠くから手を振っている人と出会った。驚いた。「晴れるから」と、行者小屋までまた戻ることになった。雪がトレースをすぐに消していく。雪はますます強くなっていく。あえなく下山した。



普通のレインジャケットにU.L.バックパック。
クランポンとアイスアックスという言い方よりも
アイゼンとピッケルという言葉がしっくりくるときもある。
厳冬期2泊3日の食料・燃料込みのパックウェイトは約10kg程だったと思う。
厳冬期いいね。夏目)



八ヶ岳厳冬期縦走メモ

◎天候、雪質次第で、天国から地獄のように変貌することもあるだろう。
厳冬期は風は強いが、雪が締まっていて歩きやすいとも思う。
行けると思えば行けるだろうし、今日は厳しいと思ったら撤退したほうがよいのでは。
◎八ヶ岳は厳冬期でも天気が良いことが多い。
◎カメラも携帯も氷点下でバッテリー切れするので、寝るときにはシュラフに入れる。
◎その他、下着、靴もシュラフに入れたほうがよいなと。
◎シュラフは入り込んですぐに暖かいように、ロフトをあまり潰さないようにパッキング。
◎硫黄岳周辺は風が強くすごく疲れるが、慎重に歩けば問題ない。
◎横岳は硫黄岳程風は強くない。雪質や天候に大きく左右されそう。
◎ヨコバイは鎖がほぼ出ているので問題無い。
◎山と高原地図に記載されている「厳冬期スリップ注意」が核心部。長いトラバース。
◎テント泊は、シュラフの結露が今一番の問題。その前は雪からの冷え込みだったがこれはU.L.Pad15で解決済み。