11.02.2014

アパラチアントレイルとONE

鎌倉ハイカーズミーティングのタープ講習でお世話になっているトレイルネームLoonことベーさんが2014年のアパラチアントレイルをONEを背負って無事スルーハイクされました。





All Photo by Loon
   
ゴールのカタディンとベーさん
現地のトレイルネームはLoonと呼ばれていたようです。


アパラチアントレイル(以下AT)は合衆国東部にあるアメリカ三大トレイルの一つ。総距離は3500kmとなる。距離こそは他のPCTやCDTと比べて4000kmを切るわけで短いのだが、歩かれたベーさんの話によると、一日の山の起伏が日本のように激しく、PCTのように一日に歩ける距離を長くする事が難しいとの事。またダニや毒蜘蛛などの虫による被害、からっとした西海岸に比べて雨も多く、なかなかハードなトレイルだったそうです。先日CDTをセクショハイクしたPCTスルーハイカーと話をする機会があったのですが、ATを歩いている人の足の太さがはんぱじゃないとの事。それだけ足に負担を強いられるトレイルなのでしょう。

途中ONEのショルダーベルトの長さがベーさんの身体の大きさに対して短いせいか、1000kmを越えた辺りからショルダーベルトのコキが緩んでくると報告がありました。コキの角度、テープ、ショルダーベルトの長さなど、複合的な問題だと予測されました。そこでONEを止める選択肢もあったのですが、工夫の結果コキの問題は解決。最後までONEでベーさんはスルーハイクされました。 

*その報告を受けてから背面長54cm以上のONEのショルダーベルトを長くしています。

ハイク中は最大荷重を越える12~13kg程のパックウェイトだったそうです。本体生地は70Dシルナイロン、ポケット生地は70DPUナイロン、薄い生地の強度や紫外線の劣化、個々のパーツの接合点など、無事3500kmのATをこのONEがベーさんと共に歩き抜けられるのだろうかと心配をしておりました。

戻ってきたONEは雨の多さを物語るPUコーティングのポケット生地のコーティングの剥がれや、 カーボンポールを入れるポケットの耐久性などいくつかの問題があった他は、上記の問題以外に大きな故障はありませんでした。カーボンポールを入れるポケットの耐久性などは今後の改善点として検討をしていきたいと思います。

ベーさん御疲れ様でした!


以下参照文献

Green Tunnel by Kevin Gallagher
アメリカ3大トレイルの一つAT(アパラチアン・トレイル)3500kmをハイカー視点で描いた映像作品

 メインの森をめざして-アパラチアン・トレイル3500キロを歩く
故加藤さんが書かれたATスルーハイクの記録