11.30.2012

北アルプス9日間 親不知〜上高地 DAY8 - DAY9

DAY08

雲ノ平〜槍ヶ岳

朝おきると雨が降っていた。
止まないかと少しゆっくりと待ってみたが、いっこうに止む気配も無いので、2人で出発する事にする。天気も悪いので鷲尾岳経由ではなく、黒部源流をこえて、三俣山荘にまずは向かう事にした。



日本庭園は花も多く、雨と霧の中を歩く事になったが気持ちよかった。
雨はそのうち、降ったり止んだりの天気に変わっていく。 
標高の高い場所で雨がふり、風が出て来ると、体感温度は一気に下がっていく。
上下にレインジャケットを着込んで歩く。


黒部源流をわたり、三俣山荘へと登って行く途中、いきなり嫁のかぶっていた帽子が風に飛ばされてしまった。稜線でも無く、そんな風が吹いているいるようにもまったく感じなかった。何故か嫁の帽子だけが風に奪われて、はるか遠くへと運ばれていった。不思議な出来事だった。


三俣山荘につくと、後少しで御飯が食べられるとの事だったので、少し待ってラーメンを食べる。そして、ようやく黒部の山賊を手にいれた。黒部の山賊は、三俣山荘、雲ノ平山荘をはじめとした北アルプスの黒部源流域の山小屋を切り盛りされてきた伊藤正一さんの著作。昭和39年に出版された本で、戦後の北アルプス、黒部源流の魅力をじっくりと知る事が出来る。黒部の源流域に住んでいると恐れられていた山賊と共に、山小屋を立て直していく話は痛快で、ユーモアもあり、今では姿も見なくなった?妖怪やカッパが黒部源流域に住んでいたという話も面白い。読み終えてみると、帽子を奪っていった風も目に見えない妖怪の一つなのかなとも思うと面白くなる。


三俣蓮華には登らず巻き道を行く。ガスで稜線の見晴らしが良くないという理由だけでなく、三俣蓮華の巻道のトレイルがとても気にいっている。双六小屋で少し休憩して、西鎌尾根を歩きはじめる頃には雨も上がり、ガスはあいかわらず出ているにしても、見晴らしも良くなってきた。



見晴らしがいいと本当に気持ちが良い西鎌尾根。新穂高から鏡平経由で来るのもいいハイクを存分に味わえそうだ。


 槍ヶ岳。登り始めの所でグロッキーぎみの嫁と離れて、テント場を確保する為に一人だけ槍ヶ岳の小屋まで上がっていく事にした。


 山荘で受付をすると、テントを余裕を持って張れるスペースは後一つしか空いていなかった。早く上がってきて正解だった。これまで歩いてきた北アルプスのテント場と、槍ヶ岳、穂高の稜線のテント場はまったく違う。本来テント場として使われないだろう、稜線沿いの狭い場所がテント場になる。張る場所も受付時に決める事になる。狭く、強風から逃げる場所も無い。嫁が上がってくるまで山荘で御飯を食べて待った。 本当は槍ヶ岳山荘のカレーを食べたかったけど、食べられる時間を過ぎてしまっていた。

90分程たって嫁が山荘まで上がってきた。翌日から穂高を通って新穂高まで行きたいと思っていたけど、天気もあまり良くない予報になっていた。嫁の体調も優れないので、明日はゆっくりと上高地に下山する事にした。山は逃げない。次に来たときに歩けばいい。


DAY09

槍ヶ岳〜上高地


朝起きると朝焼けは無事見る事が出来たけど、すぐにガスが山を覆い出した。ガスの中を大勢の登山客が大キレットに向けて歩いていく。

ガスが晴れるのを山荘で待っていると、ガスが晴れる一瞬があったので、急いで槍ヶ岳の山頂へ登る。そして上高地へと降りていった。途中でまた雨が降ったり止んだりの天気に戻る。下山して徳沢園でカレーを食べる。バスで平湯まで行って温泉に泊まる。9日間のハイクも終わった。

歩けば歩く程遠くに行きたくなる。
次は南アルプスと北アルプスを繋いで歩いてみたいと思う。
帰ってきてハイク中に撮りためた連続写真を繋いで作ったのがこの映像。
僕のブログの文章よりもハイクの気持ち良さや雰囲気を少しでも
形にしたくて作りました。


おしまい。