4.29.2014

ヒマラヤ日記 5日目


今は夕方の5時。
今日泊まるデンという村のロッジでこれを書いてます。今日はパーミットのチェックポイントを二つ通過しました。関所を通過しながら峠の茶屋で休む僕らのスタイルは、江戸時代の東海道五十三次に近かったのではないでしょうか。道沿いには村々に荷物を運ぶ馬に変わってミュール達が列を成し、籠の代わりにポーターが荷物を運び、観光しながら歩き続けます。東海道もヒマラヤと同じく道沿いにはお店や宿が溢れていたのでしょう。ハイクは三日目。遠くに雪をかぶった5000mを越える山が見えてきました。景色は徐々に壮大さを増してきています。 



 2000mを越える崖のような斜面の中腹に村が見える




トレイルの真上1000mを越える崖から落ちた滝の水は、途中で霧になりトレイルまで届きません。川の向こうの巨大な山肌の断崖絶壁の上には村が見えます。全てが大きく、迫力に満ちてきています。昨日の雨は、3000mの標高以上で雪になったらしく、トレイル上の崖の上は雪がかかっています。天気も朝から余り良くなく、午前中から雷の音が響き、雨が降り始めました。ゆっくりと昼食を食べながら雨をやり過ごしまた歩き出しました。今も外は雨が降っています。勿論僕達の行く手は雪が降っている事でしょう。これまで歩いてきた川沿いの道を離れて、マナスルへと向かいます。これまで歩いてきた村は、グルン族が多く住む村でしたが、ここからはチベット民族が作る村になります。ネパールの高地には、中国がチベットに攻めて来た時に逃げて来た人々が作った村が幾つもあるようです。




 ビニールをライターであぶって溶着して、即席ポンチョ(ザックカバー兼用)をMYOGするポーターさん達。流石!





今は夜8時19分、ローカルワインのロキシーや、ネパールのビールを飲んで少し酔いが回ってます。ネパールのジャガイモは美味しいです。明日からの工程の打ち合わせをガイドさんとしました。ガイドさんは誠実に仕事をしているように感じて好印象なのですが、ハイクが始まった後から行程の変更を指摘されたり、中々思うような行程で歩けない事に歯痒さを感じてしまいます。心の中で、ネパールのハイクスタイルを肯定しようとする気持ちと、思う存分に歩きたいという気持ちがぶつかるのです。早く歩く事に意味を見出してる訳ではなく、ただただ、歩き続けたいのです。ガイド会社はちゃんと僕らの行程をガイドさんと話しあったのか疑問に思い、歯痒さばかりが心に残ります。人と歩くというのはそういうものだと改めて諦めるしかないのです。いい所もあるし、思うように行かない事も。逆に由美子はこれぐらいのペースの方が好きらしいので、いつも無理ばかりさせて歩いてもらった事を考えると時にはいいかと思いつつ、一区間ぐらい無理してもらおうかとも心で少し企むのです。


 シャクナゲ(ラリーグラス)がいたる所で咲いてました。