6.25.2014

Customer report / MINI 小野 雅弘選手

小野 雅弘選手から御連絡をいただいたのはいつだっただろうか。 
過去のメールを見てみると、2012年12月のメールがはじめだった。
トランスジャパンアルプスレース(以下TJAR)でミニマリストパッドが活躍したとメールをいただき弊社のMINIに興味があると連絡をいただいた。TJARは日本海から太平洋までアルプスを横断する日本で一番過酷で、かつ心を揺さぶる山岳レースだと僕は思う。レースとは言うものの、NHKでTJARのドキュメンタリーを見た人は、そこに順位の良し悪しを越えた、そのレースに参加した人達の"山"のドラマに感動を憶えたのではないだろうかと思う。
 その当時 TJARへの感動が覚めない中(TV放送は同年の10月だった)小野選手からの連絡を受けて大変うれしかった事を憶えている。そこで僕は小野選手に、一度サンプルを使ってみて、良かったら購入していただきたい。そしてもし良かったらMINIのレビューを書いて欲しいと図々しく頼んだのだ。

小野選手がMINIをテスト使用後に購入されてから1年以上がたち、まだMINIが良いと思っていただけるなら質問に答えて欲しいと再度連絡をとらせていただいた。以下は私から小野選手への質問とその回答である。








Q: どうしてMINIに興味を持ったのですか?

トランスジャパンアルプスレース(TJAR、日本海(富山県)から北アルプスから中央アルプス、そして南アルプスを越えて太平洋(静岡県)までの約415Kmを自身の足のみで8日間以内に踏破する山岳アドベンチャーレース)などに出る中で、より軽量かつ耐久性があるパックが欲しいと思っていたがランニング向けのものは軽量なものの耐久性に不安のあるものかあまり軽くないものしかなかった。一方、数か月にも及ぶロングトレイルをするときに有効なULハイクのスタイルのパックは軽量なもののある程度の耐久性もあるが、多くのものが自分の求めるものには容量が大きすぎであった。軽量で耐久性のあるパックを探しており、TJARでミニマリストパッドを使っていたこともあり山と道のサイトを見ていたところMINIを見つけてこれだと思った。



Q: これまでどんなシチュエーショ ンでMINIを使ってきましたか?
 

主に日本アルプスで1泊〜2泊でのファストパッキング、ULハイクスタイルでの山行に使用。
 


Q: MINIを使ってみていかがでしたか?
  
実重量に加え、重心位置が高いので行動時にとても軽快に感じる。容量も25Lとはなっているものの実際はそれ以上入ると思われ、天候などによって荷物を多く持っていくときなどにも対応可能。また、重量の割に耐久性も十分だと感じた。
 


Q: これまで使っていたバックパックと比較してMINIをどう感じましたか? 良い点、悪い点などを教えてください。 

まずなんといっても軽量!それでいて背面パッドにミニマリストパッドが四つ折りで入っているのである程度の硬さが出ていて荷物が多くても背負い心地が良く、ショルダーハーネスも十分なクッションがあるので肩の擦れなどのトラブルもない。これだけの容量のパックにもかかわらず重心が高いので走ったりするときも快適。ロードなどの揺れも許容範囲内。また、この重量にもかかわらず底の部分の素材を変えるなど耐久性も十分な作りだと思う。
 



Q: 道具はどうしても良い点と気になる点などが同居しているものだと思います。
特に、僕らのようなハイクと違って、小野選手のように、ランやファストパッキングだと
その気になる点が出ない方が不自然のようにも感じます。
MINIをお使いになってもっとこうだったらいいというような改善希望点や、気になる点があれば教えてください。

ファストパッキング用ギアはまだまだ多いとは言えず、ULハイク用のギアだからこういう使い方でなければいけないということはなく、使い方やアイデア次第でもっとギアの選択が広がると思う。
実際使ってみて大きな不満はありませんでした。あえて言うなら25L(実際にはもっと大きいと思われる)の容量の割にコンプレッションがそれほど強くないの で極端に荷物を減らすと中で荷物が動いてしまうことがあるので、もう少し小さいサイズ20Lとか18Lとかの選択肢などもあるとランニングを取り入れるようなスタイルにもよりマッチすると思う。



Q: 小野選手なりのMINIの使い方 などございましたら教えてください。

シンプルなだけにアイデア次第で独自のカスタマイズが可能だと思う。
重心が高い反面サイドポケットの位置が高く下ろさずに物を取り出すのが多少大変なため、出来るだけ下ろさずに補給等を行いたいので、ショルダーハーネスに小さいポケットを付けて行動食などを入れ下ろさずに補給出来るようしている。
ザック底のマット用のバンジーコードの部分にマットではなく分割式のポールを収納してザックを下ろすことなくポールの出し入れをしている。




小野選手の今後の活動について 発表出来る事などあればお知らせく ださい。

8月 TJAR(抽選に当たれば)、9月 トル・デ・ジアン(イタリアアオスタ州で開催される200マイル(330キロ)のトレイルランニングレース)。いずれも2回目なので前回以上に楽しめるのではないかと思う。
また、レースに限らずロングトレイルを楽しんで行きたいと思います。 






小野 雅弘

2012年UTMF14位・24時間30分、TJAR4位・6日5時間50分、2013年トルデジアン8位など超長距離のトレイルランニングレースを得意とするが、トレイルランに限らず夏はツェルトやシェラフなどを背負って、2〜3日のファストパッキング、ウルトラライトハイク、冬はスノーボード、スキーなど、シーズンを問わずマウンテンスポーツ全般を楽しんでいる。



小野選手ありがとうございました。実際の所シビアなレースでこのMINIの容量は大きすぎるだろうと思われます。その点は今後のバックパック制作の課題にしていきたいと思います。また、定期的にカスタマーレポートを発表していきたいと思います。(夏目)