8.22.2015

Japan Alps Long Hiking について少し...前編

皆様ご無沙汰しております。
再販前のCAPの段ボールに囲まれたアトリエの中でこの文章を書いています。
ようやく少し仕事も落ち着きました。これからパンツ類やMINIの再販準備なども入りますし、来月には二週間程山に入りたいと思っておりますので、その前にひさしぶりにブログをアップしようと思います。

出来るなら皆様の山ライフに少しでも刺激になるような内容をお伝えしたいと常々と思っております。先月大阪で開催されたHiker directions showcaseで発表した内容がわりとまとまった内容でしたので、去年歩いてきた日本アルプスハイキングのリポートと、日本アルプスのロングディスタンスハイキングについて少し書いてみたいと思います。基本発表した内容をまとめたものになります。

過去に何度か書いてきましたが、海外を歩いていると、海外のハイカーから「日本にはいいトレイルはありますか?」という質問を受けたりする事があります。その度に思うのは日本アルプスです。日本のアルプスの稜線を歩くトレイルは、世界的にはあまり無い日本が世界に誇っていいトレイルだと思います。

去年日本アルプスを縦断する計画も建てるも、途中でとん挫し、出来たのは北ルプスと南アルプスのハイクのみ。真ん中の中央アルプスセクションは御岳山の噴火によって歩く事も出来なくなりました。それでもこんなテーマで発表したいと思ったのは、途中のいくつかの小屋で出会った人や日本海から太平洋にスルーハイクしているハイカーとの出会い、「今年は日本海と太平洋を繋いで歩く人が多い」という言葉。日本のロングディスタンスハイクは今どこにあるのか?という問いがあるなら、日本アルプスを繋いだハイクは今間違いなく日本のロングディスタンスハイクとしてそこに実在していると思ったからです。ハイキングはそのハイキングを計画する所から始まります。僕は日本アルプスを縦断するスルーハイキンをいまだ行う事が出来ていませんが、計画する中で知り得た事、可能性、実際に歩いて来た区間の経験を書いてみたいと思います。



ロングディスタンスハイキングというとアメリカのハイキングカルチャーが本場だと思います。日本にはアメリカのようなハイキングカルチャーは存在しませんが、アメリカのハイキングカルチャーとはまた違った魅力が存在すると僕は思います。僕が思う日本のロングディスタンスハイクの特徴は以下のような事が上げられると思います。日本でもどこを歩くかで下記の内容と異なる特徴もあるかと思いますが、ざっとという事で。ご了承ください。



1.無数に繋がるトレイルの中から自らが歩くトレイルを選び計画していく。
  
2.有人小屋を上手く利用しながらの長期ハイクが可能。
  
3.稜線を歩きながら朝日や雲海をみながらのハイクが出来る。
  
4.温泉を繋いだハイク



では海外のトレイルはどうかというと、日本とはまた違った魅力が広がっています。アメリカのトレイルであれば、毎晩誰もいない山の中で自由にテント泊しながらの山旅が出来ます。


これらの特徴の中でも日本のロングディスタンスハイクを語る上で重要なのは、1番の自らがトレイルを選び計画していく事だと思います。ハイカーズデポの長谷川さんが行った「五国ロングハイク」というキーワードも、自らが歩く道を決める自由を日本でも謳歌しようよ。というメッセージだろうと受け止めています。日本海と太平洋を結ぶトレイルも様々なトレイルのチョイスが出来ます。僕が出会ったハイカーは、北アルプスから松本に抜けて、八ヶ岳を抜けて、南アルプスを歩いて太平洋まで抜けたようです。ヤマレコにもいくつか記録が上がってますので、是非検索してみてください。

、日本アルプスを縦断するルートについてですが、日本海と太平洋を結んで日本アルプスを行くと聞くと真っ先に思い浮かべるのは、下記のTJARのルートだと思います。



TJARルート

黄色の丸がロード歩きになるため、ランであれば駆け抜けられるかもしれませんが、ハイクだと少々長い区間。一日かけてロードを歩くというのは少々キツイなと思っておりました。

下の赤字が当初自分が考えていたルートです。


ロード歩きを出来るかぎり少なくして、日本アルプスに出来るだけこだわって楽しいルートをとりたいと考えました。

日本海に面している親不知から入り乗鞍、御岳を越えて中央アルプスを抜ける。地図で見ると乗鞍、御岳も含めて大きな山脈のようにも見えます。ルートとして参考にしたのは、加藤文太郎の「単独行」です。その本の中の「北アルプス初登山」で加藤文太郎は中房温泉からスタートして、燕岳から北アルプスを歩き、乗鞍を越えて御岳山を登り、中央アルプスまで歩いています。
御岳山から中央アルプスも長いロードが待っています。僕が歩こうと思ったのは王滝村からの昔の巡礼路。中央アルプスまで山の稜線はある程度繋がっていきますが、登山道は無さそうなので、王滝村からはロード歩きかバスを考えていました。僕はスルーハイク原理主義者では無いので、つまらなければ交通期間を使う事もあまり厭いません。
中央アルプスから南アルプスの区間の山は戸倉山(別名伊奈富士)と呼ばれる山域を歩いて繋ぎます。

南アルプスに入ってから、TJARのルートは畑薙ダムから長いロードをへて太平洋に出ますが、日本アルプスハイクを焦点に絞って考えるなら、光岳から南に伸びる南アルプス深南部は外せないと思いました。地図にトレイルが記載されていないような場所もありますが、ネット上で調べてみると踏み跡もあり、歩けるようです。Hiker directions showcase発起人の東さんもこの場所を歩いています。ここまでアルプスの稜線歩きを中心に楽しんできて、最後に、森の深いトレイルを歩いて、終わる。これが僕が計画した日本アルプスハイクです。

で、実際に歩けたのは、北アルプスと南アルプスのみですが。次回実際に歩いてきたリポートを記載します。